
久しぶりに、一気に読み終えてしまうほど熱中できる本に出会いました。
マイフェイバリッド映画監督、黒沢清の小説です。ゲオで100円。
黒沢清のホラーって、無駄にビックリさせられるような血なまぐさいスプラッター映画とは違って、恐怖がノッソリ忍び寄ってくるような静かなホラーなんですよ。
つまり、ただ怖がらせるためのホラーじゃなくて、怖さの中にある「美しさ」を取り出すためのホラーって感じ。
それでもホラー嫌いのおれにはキツいんですが。
でも、小説ならおれの陳腐な想像力のおかげで恐怖もいくらか弱まるんじゃないかと思って読んでみました。
まず、なにより驚いたのが文章力ですよ。
登場人物の複雑で抽象的な心情を、圧倒的な語彙力と美しい言葉のリズムで描き尽くしていました。
ストーリーは、やや寓話的要素が盛り込まれているのですが、一貫して「死後の世界」というテーマで描かれています。
死は、
無か、
永遠の孤独か。
どっちか選べと言われたら、どっちをとるでしょう。エグい質問ですね。
未だ死に対する恐怖が芽生えたことの無いおれはハイデガーの言うこともピンと来ないんですが、
いまんところパッと消滅したい願望が強いんですが、実際おじいちゃんになってみて心筋梗塞でブッ倒れてみたら、きっと孤独でもなんでもいいから幽霊として存在していたいと思うのでしょうか。
それともモウロクが来て急に超ポジティブシンキングになり、早く三途の川を渡ってキレイなネーちゃんに囲まれて暮らしてぇなあーーと思うのでしょうか。
ううむ。
おれは現象学の本とか京極夏彦の小説を読んでから、幽霊も輪廻も全く信じなくなったんですが、そうなる以前は、寝る前なんかに死ぬことについてよく考えていました。
宇宙人の幽霊がいないのはおかしい、とかw(宇宙人の存在は確信していたんですね・・・)
だから、そういう反論に答えられるFF7のライフストリームなんか、よく考えられた死生観だなぁーとか思ってました。
んなこたあどうでもいいんですが!
なんでもいいけど、孤独な死に方だけはしたくねぇーーと思いMAX
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